YORI *未知 ダイアログ ~Viva La Unica~

 まずは、点から・・・。 日々の戯言、詩、旅行記、フォトギャラリー。

#45【詩】That day Ep3. ~透明な畏怖~

 

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何度も何度も

傷をえぐるように

 

罪を血で洗うように

ココロに一刺し

 

イタイ

イタクナイ

イタイ

 

嗚咽交じりの懺悔は

漆黒の夜に霞み

 

行き場のないえぐみを

浄化する術など知らず

 

イタイ

イタタマレナイ

イタイ

 

無下に刻まれていく

命の履歴 

一方通行

 

あの日から

生きることへの

矛盾を突きつけられて

 

存在価値

因果応報

自暴自棄

生死無常

 

それでも

狭間で照らされる

生きることへの焦がれ

 

イタイ

イキタイ

イタイ

 

身体に響く命の歩みは

沈殿した失望を掬い上げ

 

眼球に染みるオレンジ色が

「今日」に手を差し伸べる

 

イタイ

イキタイ

イキル

 

自責の傷痕から

溢れ出る嘆きと渇望

 

鋭角の黒い衝動は

無垢の雫に純化されて

 

イキタイ

イキタイ

イキル

 

ばりんと敗れる

自傷と葛藤の二重線

 

覚悟の笑みに

手招きされて

 

イキタイ

イキタイ

イキル

 

残像に滲む

温かい眼差しを頼って

 

愛おしい記憶に

誘われる

最後の淵で

 

イキル

イキル

生きる

 

解けた悔恨は

息吹になびいて

 

許しの明し

胸に抱いて

 

Photo@Guanajuato,Mexico(メキシコ、グアナファト)

#44【詩】That day Ep2. ~暗号解読~

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それは流星のごとく

人生を一瞬ですり抜けた

 

覚悟なんて間に合わず

こんなアドリブ望んでないよと

 

電話の向こうでうごめく

彼のコトバはしばらく宙を舞って

 

幾度もその暗号を反芻しては

理解する寸前で足止めくらい

 

そろそろ小芝居はやめようと

冷静が現実に引き戻した

 

“彼 女 ガ 死 ン ダ”

 

暗号は

体中の血流と混ざって駆け巡り

 

鼓動は大袈裟に振舞って

思考は南京錠で閉ざされる始末

 

“彼 女 ガ 死 ン ダ”

 

そろそろ咀嚼した暗号を

理解の粒として摂取する覚悟をし

 

巻き戻すことをあきらめて

鉛色の冬空に無声でつぶやいた

 

“彼 女 ガ 死 ン ダ”

 

耳奥で響きこだまする現実は

あまりに現実味に欠けていて

 

運命の演出を憎む間もなく

人生の儚さを悟ったふりをした

 

“彼 女 ガ 死 ン ダ”

 

この感情を必死に検索するも

かつて味わったことのない新種のそれで

 

急に生きることが億劫に感じ

置き場所に困った無数の後悔

 

“彼 女 ガ 死 ン ダ”

 

全て消化吸収されるまでに

途方に暮れる距離を心は行き来し

 

やっと鎖から解き放たれた今

暗号解読インプット完了

 

“彼 女 ガ 死 ン ダ”

 

命は最後に宙で点滅し

まぶたの裏には自責の烙印

 

喪失の海原に呆然と佇み

悔恨が足元に降り積もる

 

 

 Photo@Mexico(メキシコ、San miguel de allende)

 

#43【詩】That day Ep1. ~無き殻~

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混濁した意識、渦に溶けて

 
虚ろにつむがれた
言の葉@終着地
 
『細胞一つ一つにありがとうと言ってるの。』
 
巻き戻したい衝動は
音を無くし、はじける
 
ひしゃげた最後の望み
 
無謀で果てしない
深くじれったく、儚い
 
そんな一瞬の永遠に
身を預けて
 
激しく押し寄せる
無数の黒い嘆き
 
夜明けとともに
朝焼けで染めて
 
昇っていく、
無力を合図に
 
薄れていく、
命の輪郭
 
約束は今、
空・中・分・解
 
それでも動く
我が鼓動
 
言葉はこだまとなり、
日常は思い出に
 
戻らぬ温もり、
過去はデジャブか
 
慰めは意味を持たず、
コトバは宙を一回転
 
空箱を振りかざせば、
カタカタと虚構の音色
 
ざわめきが胸につかえて、
呼吸が鼓動に追い付かない
 
無き殼を前に
なにを語ろう
 
終わって始まる、 
生きることの無常さ
 
約束がこだまして、
涙は翻る
 
彼女の凱旋を見届けて
 
今、命は空白とにらめっこ
 
絞り出して、揺さぶって
 
唐突に築かれた
孤独の筵(むしろ)  
 
無き殻を前に
なにを紡ごう
 
 
Photo@Mexico(メキシコ、メキシコシティ
 

#42 【詩】Do or Not do

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人生を複雑にしているのは、

行き過ぎたイマジネーション。

 

「今日」を蔑ろに、まるで無かったことに。

滑稽な人生劇場、虚しいリアリティ。

 

明日に期待を投下。

ねえ、断言できる?

当たり前のように太陽は昇るって。

 

悔いはない?気持ちの先送り。

誰も知らないけど。

明日あの人が存在しているかなんて。

 

生きるって頗るシンプル。

やるかやらないか。

 

じゃあ、やれば?

それなら、やめれば?

 

決断の先に紐づく軌道。

そろそろ自分を生きようか?

 

目を瞑って葬る。

そのくだらない言い訳とか自己保存とか。

 

でも「今」は妥協しないから。

どうか生きることに隙を与えないで。

 

 

 Photo@Mexico city, Mexico(メキシコ、メキシコシティ

 

 

 

#41【雑記】Dark and Light

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以前と著しく変わったこと。

それは

自分という人間を許せるようになったこと。

 

やっとの思いでここに辿り着いた。

ずいぶん長く険しい道のりだった。

 

今では、暗黒時代の心の闇を

俯瞰して見れるようになった。

 

この変化はすさまじく大きい。

 

というわけで、当時の闇をつづった詩も

書きはじめている。

 

個人的には秀作・傑作揃い。超問題作。

読み手は心がざわざわするだろう。

 

人間ってきれいごとだけで

生きられないものだ。

 

闇は光のためにある。

だから絶対必要。

 

今後は闇属性の黒めな作品も

少しづつ公開予定。

 

乞うご期待。

 

PHOTO@Taxco,Mexico(メキシコ、タスコ)

 

 

#40 【御礼/雑記】a gift

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今回、現代詩入選のお知らせに対し、予想以上に多数のお祝いメッセージをいただき、

大変驚くとともに、感激しております。

作品に目を通してくださった方々、誠にありがとうございます。

 

振り返れば幼少期、夢中で詩・絵画・漫画の創作に励んでいました。

今思い返してみても、あの当時の情熱はすさまじかったです。

12歳ころまでは本気で漫画家を目指しておりました。

衣食住と同じくらいに自分の生活に入り込んでいた創作の時間。

 

ところが中学生になり、その情熱は勉強や部活にシフトしていきました。

なので、創作の世界からは、15年ものあいだ離れていたわけです。

 

それが昨年2016年から、いろんなキッカケが積み重なったことと、

自分の内面にあふれ出る表現意欲をカタチにしたいという思いから、

絵画や詩、エッセイの創作を再開することにいたしました。

 

この、正解や答えがない、無限の自由とも言える芸術の世界は

私にとって大変心地よく、自分らしくいられる大好きな世界です。

 

とはいえ、自己満足で終わりたくないという思いもあります。

ただ自分のエネルギーを作品に昇華させるだけに留まるつもりはありません。

 

これまでの波乱万丈な人生経験や、それらの経験から得た、

たくさんの人生哲学を、私らしいスタイルで、

言葉や絵という形に変換させ、誰かの心に届けていきたいと思います。

 

「心の琴線に触れる作品」

「言葉から情景を感じ取れる作品」

「誰かの心に寄り添える作品」

 

そんな作品を、全身全霊で、命がけでうみだしていきます。

それが自分の使命なのだと確信もしています。

 

最後に、このような素晴らしい能力を与えてくださった

偉大な存在に心から感謝したいと思います。

 

Thank you for a big gift.

 

Viva La Unica 代表 Miqui

 

 

 

 

#39【News】文芸思潮第12回現代詩賞 入選作品③『ツムギビト』

『ツムギビト』

 

始まりは、オギャー

 

やさしさ添えて、ありがとう

 

振り絞った、ごめんなさい

 

勝負の前の、だいじょうぶ

 

夕陽を背負って、また会おう

 

もう聞くことのない、だいすき

 

誰もがツムギビト

 

気持ちを込めれば

 

コトバはふわりと

 

綿毛のように

 

遠く、どこまでも

 

姿見えぬ、あの人にさえ

 

届き続けて、また紡がれて

 

 

#38【News】文芸思潮第12回現代詩賞 入選作品②『言の葉』

『言の葉』

                    

言の葉

時にだれかを癒し

時にだれかを傷つけ

 

言の葉

時にあなたを励まし

時に私を慰む

 

言の葉

時に過去へ誘い

時に明日へ繋ぐ

 

言の葉

誰かはその土地のものを使い、

別の誰かは手指を巧みに操る

 

言の葉

あの人のそれを真似して使えば

世界の果てが近づき

 

言の葉

あの人がこちらのそれを操れば

世界の境目は消える

 

言の葉

あの人の紡いだそれは

私の生きる源となり

 

言の葉

今度は私がそれを紡ぐ番

 

言の葉

授けられた大いなる力

 

言の葉

産声から最期の瞬間まで

 

言の葉

幾千もの場面を縁取り

 

言の葉

いつまでも朽ちることなく

 

言の葉

たとえこの世界を去っても

 

言の葉

放つ輝き、永遠に

 

 

#37 【News】文芸思潮第12回現代詩賞 入選作品①『決意の谷底に』

『決意の谷底に』

 

長い旅の果てに

辿り着いた未開の地

今、決意の谷底に

 

裏庭の奥の林に

こしらえた秘密基地

飛び交う鼓動の

みずみずしさよ

嗚呼、あの無垢はいずこに

  

青いカンヴァスを

踊り遊ぶ飛行機雲

瞬き忘れるほどの

初々しさよ

嗚呼、あの無垢はいずこに

 

次第に薄れた

生きることの味

はち切れそうな憂鬱

道端に降ろせば

風にはためく

白旗と勇気

今、決意の谷底に

 

雑踏に消えた

夢中の足跡

雑音に潜む

無垢な叫び

掻き分けた先に

萌える冒険の芽

今、決意の谷底に

 

さあ、ふたたび

生きるを吸い込んで

嗚呼、蘇りし

真っ白なときめき

飛行機雲を指でなぞって

今、決意の谷底に 

 

#36【詩】itself

 

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気づけばどこにも見当たらず。

 

遠く、遠く、地平線の向こう、太陽のなかに溶けてしまったのか。

はたまた底なしの谷底の奥深く、散り散りばらばらになったのか。

それとも深海の粟粒と混ざり合って、ブクブク空に蒸発してしまったか。

 

残っているのは、まっさらなさら地のみ。

もともと最初はなにも持っていなかったのだ。

ああ、なんだ元に戻ったのか。

いや、しかし時は進んでいるようだ。

では、なぜなんにも無くなったのか。

 

どうやら必要がなくなったらしい。

その圧倒的なこだわりとか、

いちいち漏れる溜息とか、

一瞬で消える薄っぺらい感情とか。

ばっさばさ棄ててしまったのだ。

 

するとどうだ。

光に透かされて煌めくそれがはっきりと見えるのだ。

埃や曇りもすっかり取り除かれたようだ。

 

なんだ、最初からそこにあったのか。

それならもう探す必要はないではないか。

 

「生きる」とは決して滑稽な演出ではなかった。

まさにそのものでしかないのだ。

 

Photo@Airplane,From Chile,Santiago(チリ、サンティアゴ、飛行機の中から)