#37 【News】文芸思潮第12回現代詩賞 入選作品①『決意の谷底に』
『決意の谷底に』
長い旅の果てに
辿り着いた未開の地
今、決意の谷底に
裏庭の奥の林に
こしらえた秘密基地
飛び交う鼓動の
みずみずしさよ
嗚呼、あの無垢はいずこに
青いカンヴァスを
踊り遊ぶ飛行機雲
瞬き忘れるほどの
初々しさよ
嗚呼、あの無垢はいずこに
次第に薄れた
生きることの味
はち切れそうな憂鬱
道端に降ろせば
風にはためく
白旗と勇気
今、決意の谷底に
雑踏に消えた
夢中の足跡
雑音に潜む
無垢な叫び
掻き分けた先に
萌える冒険の芽
今、決意の谷底に
さあ、ふたたび
生きるを吸い込んで
嗚呼、蘇りし
真っ白なときめき
飛行機雲を指でなぞって
今、決意の谷底に
#36【詩】itself
気づけばどこにも見当たらず。
遠く、遠く、地平線の向こう、太陽のなかに溶けてしまったのか。
はたまた底なしの谷底の奥深く、散り散りばらばらになったのか。
それとも深海の粟粒と混ざり合って、ブクブク空に蒸発してしまったか。
残っているのは、まっさらなさら地のみ。
もともと最初はなにも持っていなかったのだ。
ああ、なんだ元に戻ったのか。
いや、しかし時は進んでいるようだ。
では、なぜなんにも無くなったのか。
どうやら必要がなくなったらしい。
その圧倒的なこだわりとか、
いちいち漏れる溜息とか、
一瞬で消える薄っぺらい感情とか。
ばっさばさ棄ててしまったのだ。
するとどうだ。
光に透かされて煌めくそれがはっきりと見えるのだ。
埃や曇りもすっかり取り除かれたようだ。
なんだ、最初からそこにあったのか。
それならもう探す必要はないではないか。
「生きる」とは決して滑稽な演出ではなかった。
まさにそのものでしかないのだ。
Photo@Airplane,From Chile,Santiago(チリ、サンティアゴ、飛行機の中から)
#35【雑記】To the next stage
#34【News】2017年元旦岩手日報 新年文芸 詩「岩手山」掲載のお知らせ
2017年1月1日 岩手日報 別刷
“文化・くらし” 新年文芸 第一席入賞
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「岩手山」
三十の路で
その偉大さを思い知り
ふと浮かんだ
汗ほとばしる青の時代
いま腑に落ちた
溢れんばかりのやさしさ
そっと見守る
それはまるで母のように
つい突き放す
こらえきらないその威厳
知る由もなし
包み込む大いなる愛
仰ぎ見た先
かなわぬ大きな背中よ
前に佇ずむ
それはまるで父のように
いざ離れれば
故郷がいとおしくなり
はっと蘇る
あの雄大なシルエット
素直になれず
ありがとうと言えぬ時も
そっと受け入れる
それはまるで祖母のように
時に不愛想
めったに言葉にはせずとも
季節とともに
刻んできた深い歴史
雪解けとともに
あらゆる苦難を乗り越えて
大地に根ざす
それはまるで祖父のように
#33【News】第21回「日本一短い感想文」コンクール ホセ・ムヒカの部 入賞
(せっかくなので、これから受賞の報告などしていきます。)
第21回「日本一短い感想文」コンクール
ホセ・ムヒカの部 入賞しました。
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最小限の持ち物で幸せを感じられる者こそ本当に豊かである。
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「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」(くさばよしみ・汐文社)より
#32【雑記】See a Sea
いつからだろう。
大事なことを省略・時短するようになったのは。
いつからだろう、余計なことに時間をかけて
心が摩耗するようになったのは。
きっと薄々気づいているし、心のどこかで自覚している。
ときどき自分に後ろめたさも感じる。
何にも遠慮はいらないのだ。
自分の思うように、自由の海を泳いだらいい。
まずは自分を許すことから。
Photo @ Yomitan, Okinawa, Japan
#31【雑記】 Life is a journey
長年、模索していること。
それは、Me(I)とYouの折り合い地点。
つまりは、自分らしい生き方と誰かのために生きる生き方が、折り重なるポイント。
最近、わかってきたのはMeもYouも内包してしまうWeの生き方。
あともうちょっと模索したら、視界がクリアになりそうなのだ。
まだ少し、旅は続きそうだ。
ようやく、この道中の寄り道の時間も楽しめてきた。
手に入れる入れないとか、持ってる持ってないとか、
小さな基準のなかで生きるってツマラナイ。
自分が自分で在ること。
それでPerfectなんだろう。
Photo @ Yomitan, Okinawa, Japan
#30【雑記】Brand-new Day
駆け抜ける。
瞬く間に過ぎ去る。
私達は確実に終点へと向かっている。
限りのある旅路だから、経路や道順に悩む。
だけど本当は悩んでる暇なんてないのだろう。
今日が残りの人生の初日、とはよく言ったもんだ。
毎日が新しく、きらきらと可能性に満ちている。
時にはそう思えないこともある。
何のために生きているのか、
自分は生きている価値はあるのか、
悶々とすることもある。
でも、価値なんて自分でいくらでも決められる。
自分がこの世に生まれてきた、
それだけで十分指名を果たしているのだ。
自分に足りないものに目を向けなくていい。
唯一無二の自分であり、
オンリーワンの生き様を刻めばいい。
Photo @ Saigon river,Ho Chi Minh City,Viet Nam
#29 【雑記】HOME
初めて訪れた場所なのに、なぜか懐かしい。
不思議だけど、よくあるあの感覚。
個人的にこの感覚を抱くと、なんだか得した気分になる。
ふるさとと思える場所がたくさんあるって、しあわせだ。
一つしかない、それもまた良い。
たくさんある、それもまた良い。
また来たい、そう思える場所がたくさんあるのはしあわせだ。
また会いたい、そう思える誰かがいるのもしあわせだ。
また会いたい、そう思ってもらえる人間になれたら
どんなに良いだろう。
まだまだ、自分に自信はない。
だけど、私らしく生きてさえいれば、
いずれ、確かな感触をつかめるようになるだろう。
今歩いている道が正しいかどうか、
きっとそれは問題ではない。
今歩いている道の
土の感触、
草の湿気、
タイヤの跡、
足裏で感じられているか?
今を生きるって、きっとそういうこと。
自分の心が過去に置き去りにされていないか?
はたまた見えぬ未来の中で宙ぶらりんになっていないか?
目の前の人が語るその人のコトバを、
記号として聞き流すのではなく、
自分の心に刻み込めているか?
今を生きるって、きっとそういうこと。
#28【雑記】free to be happy
幸せの定義、それはあらかじめ決まっているものではなくて、